町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』で、トム・クルーズやジョン・トラボルタが信仰する宗教、サイエントロジーの内部を描いた映画『ゴーイング・クリア』を紹介していました。
A jaw-dropping documentary by HBO, Going Clear: Scientology and the Prison of Belief (2015) https://t.co/buVQccpTdp pic.twitter.com/JGSBPijgu1
— Leigh Hibell (@Madedigital) 2015, 4月 8
(町山智浩)ええとですね、いろいろハラハラとしてると思いますけど、もっとこれからヤバいことになってきますからね。ええと、今日紹介するのはアメリカを揺るがしているですね、ドキュメンタリー映画がありましてですね。サイエントロジーという宗教団体の内部を暴露した、『ゴーイング・クリア』というタイトルのドキュメンタリー映画を紹介します。
(山里亮太)はい。
(町山智浩)これは、サイエントロジーという教団はですね、トム・クルーズ。ミッション・インポッシブルのトム・クルーズと、ジョン・トラボルタが信者として非常に有名な宗教団体なんですけども。
(赤江珠緒)へー!
(町山智浩)他の宗教と違って、教義が秘密なんですよ。いろんな宗教があって、信じているものとか、どういう世界観があるっていうのは普通はオープンなんですけど。サイエントロジーの場合は、いっぱい修行をして、勉強をして、格が上がっていかないと、それを教えてもらえないんですよ。
(カンニング竹山)ええーっ!?
(町山智浩)はい。で、寄付をいっぱいしてと。だから、いままではずっと秘密だったんですけども、だんだん内部から漏れてきたんですが。今回は決定版なんですね。で、このゴーイング・クリアっていう映画は基本的に内部にいた、サイエントロジーって教団の幹部たちが辞めて、告発している告発集を並べたものなんですよ。
(カンニング竹山)告発してるんですか?
(町山智浩)ずーっとインタビューなんですよ。ほとんど。
(赤江・山里・竹山)へー!
(町山智浩)もう本当、教団の発足時から現在までいた、本当にナンバーツーとかナンバースリーとかの超トップの人たちが抜けて、『実はこういうことをしていました』ってことを全部言っちゃっているドキュメンタリーなんですね。
(赤江珠緒)これ、教団の規模としては大きいんですか?
(町山智浩)教団の規模としては、いまもう世界中に現在広がってますよ。すごい規模になっています。で、まああの、総資産額はですね、15億ドル。だから、1500億円以上?ということになるのかな。
(赤江珠緒)ほー!
(町山智浩)すごい額なんですよ。15億ドルですよね。はい。すごい規模です。で、このサイエントロジーっていうのの始まりから説明しますと、L・ロン・ハバードというですね、SF小説家がいたんですね。1950年代に。で、ものすごい数、いろんな小説を書いたんですけど。西部劇とか。全然売れなかったんですが。ある日ですね、『ダイアネティックス』という自己啓発本を書いたんですね。
(山里亮太)はい。
(町山智浩)『こうすると思考が実現する』とか、そういう本っていっぱいあるじゃないですか。ビジネス書のところに。そういうのを書いて。で、その内容が、『人間が積極的な行動ができないのは、本人も忘れている過去のトラウマが体や心にロックをかけているんだ。それをクリアにすると、仕事とかできるようになるよ』っていう本だったんですね。
(赤江珠緒)ふーん。
(町山智浩)勉強とかね。で、だからこのタイトルのゴーイング・クリアっていうのはその、『クリアにする』っていうサイエントロジーの教義から来ているんですよ。
(カンニング竹山)ほー。
(町山智浩)で、じゃあどうやってその過去のトラウマっていうのを、自分も知らないわけですから。覚えてないわけですから。それをクリアにするか?っていうと、カウンセリングを受けるんですね。サイエントロジーで。これを『オーディット』って言うんですけど。なんていうか、昔、ラブテスターっていうおもちゃがあったの、覚えてますか?
(山里亮太)ああ、相性わかるやつでしたっけ?
(町山智浩)そうそう。あれ、手にかいた汗で電流の流れが強くなるのを測る機械だったんですね。だから、恋人同士で握ると熱くなって汗が出て、ラブテスターの針が揺れるっていうのがあるんですけど。あれをですね、嘘発見器として使用するんですよ。
(赤江珠緒)ふん。
(町山智浩)e-メーターっていうんですけども。それを信者に握らせて、その針の振れを見ながらですね、いろんな過去について聞いていくんですね。カウンセラーが。
(赤江珠緒)ええ、ええ。
(町山智浩)それでもう、何もかも洗いざらいしゃべらせていくっていうのがこのサイエントロジーのオーディットと言われているカウンセリングなんです。で、それで過去にこういう嫌なことがあったとか、子どもの頃に虐待を受けたとか、そういったことがわかってきて。自分も嫌だから忘れていたことが。
(赤江珠緒)はい。
(町山智浩)で、それをわかることによって、それをクリアにして、トラウマを克服するってことなんですね。で、それがまあ非常に当たってベストセラーになって。ところがそれを宗教化していったんですよ。そのロン・ハバードっていう人は。
(赤江珠緒)ふんふん。
(町山智浩)それをサイエントロジーっていう集団にしていったんですけども。これがですね、その後、だんだんその教義が発展していくうちに秘密になっていったんですよ。最高教義っていうのが。
(赤江珠緒)ええ。
(町山智浩)で、ここでね、取材されて出てくる証言者の1人っていうのは、30年以上サイエントロジーにいた人っていうのが出てくるんですね。その人は、ポール・ハギスっていう、『ミリオンダラー・ベイビー』っていう映画でアカデミー脚本賞をとって、『クラッシュ』っていう映画でアカデミー作品賞をとった映画監督なんですよ。
(赤江珠緒)へー!
(町山智浩)で、この人は1975年から30年以上、サイエントロジーにいたんですよ。で、どんどんどんどん格が上がっていって。で、やっと最高教義を教えてもらえる格まで行ったんですね。したら、アタッシュケースをもらったらしいんですよ。『あなたはとうとうこの最高教義を知ることができました』って。
(赤江珠緒)ついに。
(町山智浩)で、アタッシュケースを開けたらですね、教祖のロン・ハバードの手書きのメモが入っていて。それによると、人類みんなにあるトラウマの正体が書いてある。それは、7500万年前に宇宙を支配する宇宙の帝王ジヌーというのがいた。それは、宇宙中から自分に逆らう人を集めて、地球に捨てた。その捨てられた人たちの魂が、地球にいた原始人の体に入って。それが現在の我々なんだ。その子孫が。だからそのジヌーに殺された魂はジヌーによって洗脳されているらしいんですよ。
(赤江珠緒)ちょっと待って。30年かけて、ジヌーかい!みたいな。そこ!?
(町山智浩)そう。で、それを解くのがサイエントロジーの最高の目的なんだっていうことが書いてあったらしくて。
(赤江・竹山)ひえーっ!?
(町山智浩)で、びっくりして。なんだ、これは!?って思ったんですって。そのポール・ハギス監督も。冗談かと思ったと。でも、信じたらしいんですよ。っていうのはそれまで散々費やした、莫大な修行の時間と大量の寄付が無駄になっちゃうじゃないですか。
(カンニング竹山)そうですよね。
(山里亮太)ジヌーのために?
(赤江珠緒)ジヌーが(笑)。ゴール、あがりがジヌーだったっていう。
(町山智浩)そう。ジヌーですよ。でも、人間って、これね、なかなかあれですけど、要するにバカバカしいものだと思っても、ここまで俺は信じてきたんだから・・・っていうことですよね。
(赤江珠緒)ああ、なるほど。
(町山智浩)これはDV夫についていく女とかと同じですけどね。まあでも、どこの宗教もみんな同じで、僕が思うのは・・・まあまあ、それはいいんですが。それで、1986年にですね、ロン・ハバード氏が亡くなったんですが。そこからですね、教団は当時、まだ26才の若い幹部のデヴィッド・ミスキャヴィッジっていう人がですね、その教団の主導権を握ってですね。この映画の中での証言によると、粛清を始めていくらしいんですよ。
(赤江・竹山)ほー。
(町山智浩)他の幹部仲間たちを。で、このミスキャヴィッジさんとの権力闘争に負けた人たちが、元幹部としてこの映画で証言をしているっていう状態なんです。
(カンニング竹山)ああ、そういうことか。
(町山智浩)で、ですね、この中でいちばん衝撃的なのは、トム・クルーズの担当をしていた人っていうのが出てくるんですよ。これはマーティー・ラスバンっていう人なんですけど。これは教団のナンバーツー、ナンバースリーぐらいの、もう超トップの幹部なんですけども。その人が、トム・クルーズがニコール・キッドマンと結婚した時に本当に困ったって言ってるんですよ。
(赤江珠緒)えっ、なんでですか?
(町山智浩)どうしてか?って言うと、ニコール・キッドマンって、二人目の奥さんですけど。トム・クルーズの。の、お父さんっていうのは精神科医だったらしいんですよ。で、精神科医っていうのはずっとサイエントロジーに反対しているんですよ。世界中の精神科医は。っていうのは、彼らがやっているのって、精神科のカウンセリングと似ているじゃないですか。
(赤江珠緒)はいはい。
(町山智浩)だからそれは素人がやっては非常に危険なんだっていうんですよ。
(赤江珠緒)うん。たしかに。
(町山智浩)ちゃんと医療の資格を持った人じゃないと、非常に危険なことをやらせているから。これは危険だと。で、実際にその、精神病になった人を精神科医に見せないで、サイエントロジーが独自のやり方で精神病を治療しようとして、何人か死んでるんですよ。
(赤江・竹山・山里)ええーっ!?
(町山智浩)これは事実なんですよ。新聞にも出ていて。だから、非常に危険だと言っている医者の娘とトム・クルーズが結婚しちゃったんですよ。トム・クルーズ、サイエントロジーの大信者なのに。そしたら、奥さんのニコール・キッドマンの影響で、サイエントロジーと距離を置くようになったらしいんですよ。トム・クルーズが。
(赤江珠緒)うんうん。
(町山智浩)これは困った!ということでもって、なんとかニコール・キッドマンと別れさせよう!っていって、サイエントロジーの幹部のラスバンっていう人がトム・クルーズを何度も説得して。で、別れさせたんですって。
(赤江・竹山・山里)ええーっ!?
(町山智浩)これ、やった本人が言ってるんで、かなり信ぴょう性が高いんですよ。『私がやりました。離婚させました』って。これは結構トム・クルーズ、大ショックだろうなと思いますよね。
(赤江珠緒)そうですね。
(カンニング竹山)そうか。今回のこの映画まで、知らなかったということか。
(町山智浩)トム・クルーズもそこまでコントロールされているっていう自覚がなかったんでしょうね。
(山里亮太)へー!どうなっちゃうんだろう?この後。
(カンニング竹山)すっげーな、これ。
(町山智浩)でね、その後、サイエントロジーは、これもちょっと報道されたんですけど、トム・クルーズに花嫁をあてがおうとしたんですよ。教団の中に非常に美人で女優志願のナザニン・ボニアディっていう女性がいたんで。その人をですね、歯を直してあげたり、ちょっとした整形みたいなことをしたり、スタイリストをつけたりして、どんどんトム・クルーズ好みに改造していったらしいです。
(山里亮太)うわー、すげーな!
(町山智浩)っていうか、そのナザニンさんは、私がなんで改造されているか、わからない。なにかのボランティアをやるらしいって思っていたらしいんですよ。で、『ここに行け』って行ってみたら、そこにトム・クルーズがいたんですよ。リゾート地の別荘に。
(カンニング竹山)うん。
(町山智浩)で、そこに教団の教祖の跡継ぎの最高幹部のデヴィッド・ミスキャヴィッジが来てですね。『君はこれからトム・クルーズの花嫁になりなさい』って言ったらしいんですよ。したら、ショックで。あまりにも、そのナザニンさんはいきなりそんなことをやらされるから、『私は嫌よ!』みたいな感じになったんですね。
(山里亮太)ほうほう。
(赤江珠緒)嫌だった。
(町山智浩)したらトム・クルーズ、そこでテーブルを叩いて怒ったらしいんですよ。『このミスキャヴィッジさんに逆らうのか!』って怒ったんですって。
(山里亮太)あ、そっち?
(町山智浩)そっちなの。だからすごいもう、教団の方に入っちゃってるんですよ。トム・クルーズは。で、しかもそれで破談になっただけじゃなくて、そのナザニンさんはトム・クルーズの花嫁になれなかったっていうことで、罰として教団の施設でずっと便所掃除をさせられていたっていうんですよ。
(赤江珠緒)なんという。とことんやりますね。へー。
(町山智浩)すごいんです。この教団は中で抜けようとした人とか、この幹部はみんな抜けているわけだから、抜けようとしたらしいんですね。途中で。そうして教団の中で異分子になっていくと、それを鍛え直す修行施設みたいなのがあって。そこに監禁されるらしいんですよ。
(カンニング竹山)なんか聞いたことがあるようなね、話だね。
(赤江珠緒)本当ですね。
(町山智浩)で、すごい苦行をさせられて。30時間労働とトイレ掃除と。食事は残飯で。眠るのは3時間だけとかね。それをずっとやらされて、まあ精神的にボロボロになるらしいんですけど。それでまあ、脱出した人もいるんですけど。
(山里亮太)はー!
(町山智浩)で、それをね、そういった体罰みたいなことをかなり幹部に対して、ミスキャヴィッジっていうリーダーはやっていったらしいんですね。だからなんていうか、赤軍派とか宗教団体とか、みんな同じなんですけど。左翼ゲリラとかも。要するに、内部で権力闘争をやる時に、そういった形で幹部を出していくんですよね。
(赤江珠緒)はいはい。
(町山智浩)よくあるパターンですけど。それをされた人たちが出てきてですね。この映画の中で、私はこういうことをされましたというような形で告発していくという内容なんですよ。
(赤江珠緒)へー!
(町山智浩)で、これに対してサイエントロジー側は、『これは全部デタラメなんだ!なぜならば、証拠よりも証言にたよっているじゃないか。しかも彼らはみんな、教団を辞めた反教団側の人間じゃないか。だから信用できないじゃないか』っていうような形で、すごく反論しているんですよ。
(赤江珠緒)うん。
(町山智浩)トム・クルーズはまだ、ノーコメントです。で、ジョン・トラボルタは、『私はサイエントロジーに入っていて、いいことしかなかった。素晴らしいところだ』という風に言って、サイエントロジーに徹底的な擁護に回っているんですけども。
(山里亮太)へー!
(町山智浩)まあ、そういう話なんですね。それで、いまインターネットにサイエントロジーはこの映画、ゴーイング・クリアの間違いとかですね、ゴーイング・クリアの問題性っていうものを、すごくしっかりしたサイトで検証しているんですけども。これで、そのサイエントロジー側の意見ですごいなと思うのは、中に出てくる幹部たち。元幹部ですね。告発している元幹部たちの素性を全部上げてるんですよ。
(カンニング竹山)すごい(笑)。
(町山智浩)で、これがすごいのは、彼らは互いにオーディットっていう形でカウンセリングを受け合っているから、信者全員のすごい細かいデータを持っているんですよ。
(山里亮太)ああー、そうか。全部言ってるんだ。
(赤江珠緒)じゃあ、ある意味、弱みとかも持っていると。
(町山智浩)弱みとかも握っているし、自分のトラウマとか問題性を全部告白しなきゃいけないから。もう本当は誰にも知られたくないようなことを、みんな言っているんですよ。それを全員、信者全てのものを保管しているんですよ。
(山里亮太)はー。言ったるぞっていうのがあるわけですね。じゃあ、言っちゃってもいいんだな?みたいな。
(町山智浩)そうなんです。で、しかも奥さんとかは教団に残っているから、奥さんとかもめちゃくちゃ言ってますから。大抵、離婚したらめちゃくちゃ言いますからね。その元幹部のことを、『私に暴力を振るった』とかいっぱい言っているんですけど。
(赤江珠緒)うわー。
(町山智浩)で、特にその、元最高幹部に近い人で、マーク・ラスバンっていう、元幹部たちのリーダーの人に関しては、サイエントロジーは『彼は幹部だった時に信者たちに暴力をふるっていた。教団の金を使い込んで、クルーズ船で遊んでいたりした』と言っていたり。あと、元幹部の1人でマーク・フィッシャーっていう人は、『タイで少女売春しまくりだった』とか書いているんですよ。サイエントロジー側が。
(赤江珠緒)うわー・・・
(町山智浩)で、たぶんこのへんは本当なんですよ。データを持っているから。で、あと、マイク・リンダーっていう人がすごい告発をしているんですが。マイク・リンダーっていう人はですね、95年にサイエントロジーが精神病になったリサ・マクファーソンっていう人を治療しようとして死なせちゃった事件があった時に、裁判になったんですけども。その時に、サイエントロジー側に不利な証拠を隠滅したりですね、偽証をしたと言ってるんですね。サイエントロジーが。
(赤江珠緒)はい。
(町山智浩)これ、えっ?っていう感じですよね。『この元幹部の言うことは信用できませんよ。なぜならば、彼はサイエントロジーの幹部だった時に、サイエントロジーに不利な証拠を隠滅した人だからです』って。これ、なにを言ってるのか僕はよくわからないんですすが。
(赤江珠緒)うん。
(町山智浩)で、この幹部のやっていた悪いことをいっぱい並べているんですけど。『こんなひどい幹部たちがいた教団なのか・・・』って僕は思ったんですけどね。はい。だからよくわからないことになっているというね。で、この映画自体がね、監督がアレックス・ギブニーっていうアカデミー賞をとった人で。なぜこの映画を作ったか?という話をしててですね。インタビューで。
(山里亮太)はい。
(町山智浩)これはサイエントロジーっていうのは、いまはもうすごい15億ドルっていう総資産を持っていて。その現在の収入の多くは、世界中に所有する不動産の開発であったり、貸したり、ビル経営をしたりとか。そういった、基本的に不動産業だと言ってるんですよ。
(カンニング竹山)ほう。
(町山智浩)で、実際にハリウッドの周りっていうのは、いまほとんどサイエントロジーの土地なんですよ。
(赤江・竹山・山里)ええーっ!?
(町山智浩)ハリウッドっていうのは80年代から90年代にかけて、廃墟みたいだったんですよ。浮浪者とジャンキーで。それを全部、タダ同然に値段が下がっていたので、サイエントロジーはそれを買いまくったら、その後ハリウッドで再開発されて。その後、アメリカは不動産バブルになったんで。それでサイエントロジーって莫大な資産を増やしたんですよ。
(山里亮太)そうか。それでか。
(赤江珠緒)いやー・・・
(町山智浩)ただ、彼らは税金払わないでいいんですよ。宗教団体だから。でも、これはおかしいって監督は言ってるんですよ。不動産は宗教と関係ないじゃないか!と。
(赤江珠緒)そうですね。
(町山智浩)だから、こういうのを免除するのはおかしいよ!っていう風に監督は言ってますね。はい。
(赤江珠緒)いやー・・・
(山里亮太)これ、公開されて結構・・・
(カンニング竹山)衝撃ですよね。アメリカでは。
(町山智浩)これ、もう大変なことになってますね。この映画を制作したHBOっていう会社はもう160人弁護士を雇ったとかね、言ってますけども。さすがにそれは盛ってると思いますけどね(笑)。
(赤江珠緒)だって1人のSF作家のジヌーがですよ、ここまでのことになってしまうというのが、怖いですね。
(町山智浩)でもこれ、すごいんですよ。昔、国税庁に『税金を払え』って言われた時に、まだ宗教団体じゃなかったんですね。サイエントロジーが。で、その時にどうやって戦ったか?っていうと、国税庁の職員一人ひとりをですね、一人ひとりの信者に訴えさせたんですよ。信仰の自由の侵害ってことで。で、一人ひとりを個別に訴えたものだから、その訴訟数は2400件もあって。それで国税庁側が音を上げて、93年にサイエントロジーを宗教団体として認可したんですよ。
(赤江・竹山・山里)へー!
(町山智浩)だからものすごいですよ。彼らの戦闘は。という風に、この映画では描かれていますが。サイエントロジー側はですね、この映画で描かれているのは全部嘘っぱちである。なぜならば、元幹部たちはみんな変態とか悪いやつばっかりだからだと。
(山里亮太)嘘を言ってるんじゃないかと。
(赤江珠緒)なるほどね。へー。もう衝撃のドキュメンタリーですね。
(カンニング竹山)見たいね、これ。
(赤江珠緒)ゴーイング・クリア、今日は町山さんにご紹介いただきました。
<書き起こしおわり>